YSA卒業生がよく訪ねてきてくれます。彼らとの繋がりもYSAの誇る点ですが、ここ数年気になる話を耳にすることがあります。「私も塾講師に誘われた。」という卒業生が目につきます。教えるのは無理だろうと思える卒業生の中にも多いのです。

大分昔ですが、「私でも家庭教師に採用された。現場に出たが、やめた。YSAに行きなさい、て言っといた。」と笑えない話をした者もいました。

塾の人材不足は今や相当深刻なはずです。能力不足の人間が教えて本当に本物の学力が付くのでしょうか?

教える技術や器具を駆使したとしても、私は難しいことだと思います。たまたま成績が少し上がったとしても、それは、今まで学習しなかった生徒だからという程度の事だと思います。

ひとたび塾講師・家庭教師募集の実態を見てみると、寒心に堪えない状況がわかります。

仙台圏で、多くの塾・団体が「個別指導」「家庭教師」で生徒を集めますが、それほどの数の「教えられる人」がいるはずがありません。リモート授業やタブレットなどが塾に入り込んでくる事情も推察できます。

しかし、私は「教育は人と人との関係で成り立つ」「人材造りは人の手でしかできない。」と思っています。

教科指導でも、対面指導はリモートやITに勝ります。生徒の分からない点や理解力はまちまち、生徒の性格もまた然りです。

そして学習を通じて、教科面での生徒の成長だけでなく、人間としての成長を実感することができます。ほんの少しですが、彼らの成長を支えることもできます。

また私も、多数の「親子2代YSA生」をはじめ多くの方に支えられていることを肝に銘じ、後少しは頑張れる、頑張ろうと思っています。